今回も現役の釣具屋店員である京太郎さんにSHIMANO(シマノ)19VANQUISH(ヴァンキッシュ)リールのインプレをしていただきました。19ヴァンキッシュは過去モデルに比べ、最も進化したリールであり、軽いだけではなく遠投性能も向上したマニアを認める名機です。ライトジギングで一度使ったら、もう手放せない高性能なリールです
釣具屋店員してます京太郎です
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SHIMANO 19ヴァンキッシュの魅力とは?
シマノのハイエンド機種19ヴァンキッシュ(VANQUISH)はとにかく「軽さ」が売りのリールです。実際に手に取ってみるとわかりますが、他のどんなリールをも凌駕する軽さで驚きます。
まさにリールを装着していることを忘れるレベルです
19ヴァンキッシュはクラスの位置づけでいえば、ダイワの21ルビアス エアリティと肩を並べるリールであります。
では19ヴァンキッシュには具体的にどのような特徴があるのでしょうか。
先代16ヴァンキッシュとの比較
まずは先代16ヴァンキッシュとの比較から解説していきます。
先代16ヴァンキッシュからの進化・変更点
マグネシウムボディから樹脂ボディへ
16ヴァンキッシュのボディ素材はマグネシウムからできた金属ボディでした。19ヴァンキッシュでは樹脂(CI4⁺)ボディになり、さらなる軽量化を成し遂げました。
CI4⁺とはカーボン(炭素)繊維に軽量樹脂を合わせた素材のことです
ここで剛性が弱体化したのでは?との声が聞こえてきそうですが、実は最新の強化樹脂素材はかなり丈夫なため、以前のマグネシウムボディより強くなっています。
つまり剛性が強くなったうえに軽量化も実現した素晴らしいリールなのです。
シマノ様の課題解決力には脱帽です。相当研究に苦労したと思いますが剛性を強く、重量を軽量化するという神業を成し遂げてしまいました!
スプールの縦幅が長くなり、飛距離が向上
これは18ステラから登場した「ロングストロークスプール」という機構が搭載されたことによるものです。
16ヴァンキッシュよりスプール溝の縦幅が広くなったことで、ライン放出の際の抵抗が軽減され、飛距離を約4%向上させることが可能にしました。
たかが4%ですが、知らず知らずのうちにその恩恵を受けていることもあるため侮れません。
16ヴァンキッシュから肉抜きでも軽量化
16ヴァンキッシュも軽量な機種ではありましたが、19ヴァンキッシュでは同番手と比較して最低10gから最大40gの軽量化を実現しています。
ちなみに競合ダイワの同クラスの最新リール「21ルビアスエアリティ」と比較しても19ヴァンキッシュのほうが軽量です!
例えばノーマル2500番を比較すると、ルビアスエアリティは170gでヴァンキッシュは165gとヴァンキッシュのほうが5g軽いのです。
165gってどのくらいの重量かイメージつきますでしょうか?
しめじ1パックがだいたい180gです。この軽量はやばいですね
またシマノハイエンド機種である「18ステラ」2500番は205gなのでヴァンキッシュとは40gもの差があります。
このようにヴァンキッシュはボディ素材の変化による軽量化に加え、さまざまな部分で肉抜きが施されており、軽量化への抜かりはありません。これにより繊細で俊敏な使用感を生み出しています
巻き心地はさらに軽く、なめらかに
16ヴァンキッシュは「マイクロモジュールギア」を搭載しており、それなりに滑らかな巻き心地でした。19ヴァンキッシュでは「マイクロモジュールギアⅡ」へ進化し、さらに「サイレントドライブ」という滑らかなフィーリングを生む機構も搭載されたことで巻き心地を格段に向上させました。
さらに樹脂(CI4⁺)から成るローター「マグナムライトローター」により、圧倒的な巻きの軽さを手に入れました。
巻きが軽く、滑らかなのが19ヴァンキッシュの特徴です。
最強の防水機能Xプロテクト
16ヴァンキッシュはコアプロテクトという防水機構が搭載されていました。
それが進化し、19ヴァンキッシュではXプロテクトが搭載されたことでさらに防水性能が向上しました。なんと防水規格IPX8相当の防水機能が装備されています
「IPX」とはiphoneをはじめとするスマホにもよく利用されている防水の規格です。IPX8とはレベルとして「IPX7以上かつメーカーと使用者間の取り決め」とされている等級です。IPXは0〜8までの等級ですから、なんと最上位に位置するということです
ではIPX7とはどのような水没防御力かといいますと・・・
「規定の圧力、時間で水没しても水が侵入しない」とされています。
その規定の圧力は「水面下15cm~1m」で30分間です。IPX8はそれ以上ということです
1点注意としては、防水規格IPX8相当なので近いといった意味合いであることです。
いずれにせよリール等の機械にとって塩を含む海水は最も天敵です。鉄壁の防水機能はリールの寿命を間違いなく伸ばします。安心して使えますね。より内部パーツを長持ちさせることができるようになりました。
19ヴァンキッシュ(C2000SHG)を実際に使ってみた
私が所持するC2000SHGはアジング、メバリング等のライトゲームで使用しています。
アジングロッドとセットしますと「200g」ちょっとの重さになり、めちゃくちゃ軽いです。
そのため繊細なルアーアクションが可能で、アタリも感度良く大変わかりやすく伝わります。
軽すぎるゆえにロッドとの自重バランスが取りづらいため、先重りが生じやすい点は悩ましいですが、感度重視でとにかく軽さを求めたタックルにしたい場合には、うってつけなリールだと感じました。
樹脂ボディなのにマジで高剛性!
あらゆる箇所で樹脂パーツが使用されている19ヴァンキッシュですが、剛性は実にしっかりしています。当然ライトゲームでは剛性を気にする場面はほぼないですが、尺アジクラスの魚やシーバスを掛けてもボディが歪むことは、全くありませんでした。60cm以上の釣り物にはパワー不足でやはり厳しいので20cm〜45cmほどの魚には素晴らしい釣果をもたらすリールです。60以上の大物には剛性からいってもステラが間違いありません
とっても滑らかなリジッドサポートドラグ
リジッドサポートドラグにより、滑らかにドラグが効いてくれるため、魚とのファイトがとても扱いやすい印象でした。
身が柔らかく、口切れが心配なアジングでもドラグの効き始めがスムーズなので、アワセで口切れすることはありませんでした。
それに加えて、甲高いドラグ音も心地よく、さらに釣りが楽しくなります。
軽くシルキーな巻き心地
マイクロモジュールギアⅡとサイレントドライブで巻き心地はかなり良いものになっています。
そしてマグナムライトローターによる恩恵で、巻きが軽快かつ、クイックな操作が大変に楽に行えます。まったく腕が疲れません
ライトゲームリールといえばヴァンキッシュという代名詞ができそうなくらいです。
19ヴァンキッシュがフィットする釣りとは
向いている釣り
軽さが武器のヴァンキッシュの適正は「ライトゲーム」向きでしょう。
先ほども述べましたが、私のアジングタックルはリール・ロッド合わせて200gちょっとです。
これだけ軽ければ、豆アジのピピッとくる小さなアタリさえも分かるぐらいに高感度です。
またキャスト時も軽いため、振り抜きが非常に軽快です。ほかにもメバリングやエギング、チニング、バスなどで活躍してくれるでしょう。
向いていない釣り
ショアジギング等の大型狙いの釣りでは、若干剛性が物足りない感じは否めません。
確かに現在の樹脂(CI4⁺)素材は強力になっているもののアルミ等の金属素材のほうがいくらか安心感はあります。
またそれほど繊細な操作が必要でないシーバス、ショアジギング等の釣りには長所を生かしきれないのでもったいなく思います。
どうしても疲れにくい軽量なタックルにしたい場合であれば、選ぶのもアリです。ただタックルバランスにおいてリールが軽すぎて先重りすることがあるので注意しましょう。
まとめ
19ヴァンキッシュはとにかく軽量で特に繊細な操作を必要とする釣りにベストなリールです。
今までライトゲームで重いリールを使っていた方にとっては、世界が変わるといっても過言ではないぐらい鋭敏な仕上がりになっています。
軽くなってさらに剛性もしっかりしているため、初心者からステップアップしたい方に特におすすめしたいリールです!
ライトゲームにおいては最高のリールです