
牡鹿半島からも近い、南三陸町エリアの海域は、高級食材でもある伊勢海老の好漁場として2024年~2025年に大注目を集めています。本記事では、伊勢海老が釣れる時期や漁港ポイント、タックル選び、釣り方のコツまでを詳しく解説します。
目次
南三陸町で伊勢海老の水揚げ量が昨年の10倍増
宮城県南三陸町でイセエビの水揚げが急増しています。2025年度は、9月末時点で既に前年度の年間漁獲量(約194kg)の約10倍、約2,468kgに達する記録的な豊漁です。
この驚きの背景には、地球規模の海の異変があり、本来温暖な海域に生息するイセエビが三陸沖で増えている主な理由は、やはり海水温の上昇です。
専門家によると、暖かい黒潮の北上や大蛇行により、冬場でも水温が10℃を下回らない海域が増えたことで、それまで死滅していた伊勢海老が東北の海で越冬・定着できるようになったためです。
項目 | データ | 比較対象 |
---|---|---|
2025年度の漁獲量 | 約2,468キログラム | 2024年度(通年)の約10倍 |
2024年度の漁獲量 | 約194キログラム | - |
南三陸エリアで伊勢海老を狙える時期とポイント
南三陸町の伊勢海老釣りは、季節や潮の動きが釣果を大きく左右します。夜行性である伊勢海老は、水温や潮の流れが安定する時期に活発になります。
伊勢海老が釣れるベストシーズンと潮回り
南三陸で伊勢海老が狙える「最盛期は9月中旬から1月頃」です。
この時期は海水温が20℃~10℃で安定しはじめ、伊勢海老が岩礁帯の浅場に接岸します。
夜行性のため、夕方から深夜にかけての上げ潮が最もチャンス。満ち潮で潮が緩む時間帯は活性が上がるため、そのタイミングを狙いましょう。特に新月前後は警戒心が薄れ、活発にエサを探す個体が増えます。潮回りを意識し、夜間の満ち始めに釣り仕掛けを投入するのが効果的です。
南三陸町で実績のある釣り場ポイント紹介
実績のあるエリアは志津川湾周辺です。十三浜や戸倉地区から志津川漁港付近の岩礁帯やテトラは潮通しが良く、秋の夜釣りで大型が上がります。歌津地区の荒磯も根が複雑で隠れ場所が多く、実績が高いポイントです。南三陸はほとんどの漁港が釣り禁止となっていない釣り人に優しいエリアです。
南三陸町では、各漁港のテトラポッド帯を中心に伊勢海老が多く生息しています。昼間は深い岩穴に潜んでいますが、夜になると活動的になり、テトラの隙間から這い出してエサを探します。この習性に合わせて、テンヤをテトラの穴へ直接落とし込む釣り方が効果的です
ちなみに日中は伊勢海老釣れません!
釣行前に地元の釣具店で潮位や釣果情報を確認し、禁止区域を避けましょう。
伊勢海老釣りに必要なタックルと釣り具
南三陸町の伊勢海老釣りは、漁港のテトラポッドや岩の隙間を狙う「穴釣り」スタイルが中心です。穴釣りで使う仕掛けは、この「伊勢海老テンヤ」です。これを使ってバンバン釣りあげます。2本針で伊勢エビをフックし釣りあげます。伊勢海老はかなりパワーがありますので、テンヤが最適です

最低でも5セットくらいは持っていくと根ががりした時も安心です。
まずテンヤがないと釣りになりませんから!
テンヤを使う場合、エサはイカ・イワシの身・サバの切り身など匂いが強いものを選び、ワイヤーでしっかり固定します。夜光テンヤや蛍光エサ止めを使うと夜釣りでのアピール力が上がります。タチウオテンヤのセッティングと似てます

ロッド・リール・ラインの選び方
南三陸の伊勢海老釣りはメインが穴釣りなので、そこで求められるのは、遠投性よりも取り回しの良さと引きはがす力。タコほどのパワーは要りませんが、伊勢海老も足で岩にしがみ付いてますので、そこから引っ張り上げるロッドパワーが必要です。
ロッドは長さ120〜150cm(4〜5ft)程度のショートモデルが最適です。足元の狭いスペースでも操作しやすく、テトラの間にテンヤ仕掛けを落とし込む際も扱いやすい長さです。
硬さはM〜H(ミディアム〜ハード)クラスが基準。伊勢海老は脚力が強く、針掛かりしても岩にしがみつくため、柔らかい竿では引き出せません。伊勢海老専用ロッドはまだ少ないため、ロック用のロッドやタコ用を流用するのが実践的な選択です。
リールはベイトを選ぶを取り回しが良いです。


ラインはPE+リーダの組み合わせ
ナイロンラインでもよいのですが、繊細なアタリを逃すのでPEとフロロカーボンのリーダセッティングをお勧めします。
PEラインは3号から5号を選択しましょう。お好きなので大丈夫です。
リーダラインは個人的にトルネードVハード一択です!テトラから穴釣りする場合、高い位置からリーダが擦れることが多く切れやすいためです。リーダは50lbくらいの太さえらびましょう
Vハードはとにかく擦れに強いです。実はタチウオジギングでも愛用しています。
テトラの高さにもよりますが、3ヒロから5ヒロ程度とっておけばよいでしょう
【重要】ヘッドライトは夜釣りに欠かせない装備
南三陸での伊勢海老釣りは、夜間にテトラポッドや岩場を歩くため、安全装備の有無が生死を分けることもあります。まず最優先で準備すべきは、明るく信頼性の高いヘッドライトです。
おすすめは「ジェントス GH-001RG」。照射距離が長く防水性能も高いため、雨や波しぶきにも対応できます。予備バッテリーを常に携帯し、照明が切れないよう備えることが大切です。


ライフジャケットはゲームベスト型一択
次に欠かせないのがライフジャケットです。磯やテトラの上では一瞬の油断が落水につながるため、浮力体付きの「ダイワ DF-6224」のようなゲームベスト型を選びましょう。万が一転んでもケガをしにくいです
身体にしっかりフィットし、ポケットが多く道具の出し入れもスムーズです。ライフジャケットなしはホントに危険なので、必ず着用してください
さらに、スパイクブーツやフェルトスパイクシューズで足場のグリップ力を確保することをオススメ。夜釣りは準備を怠れば一瞬で危険に変わります。また単独での夜釣りはやめましょう

ケガやロッド破損にそなえて保険に入っておくこともオススメします。
110円で入れるドコモ保険は釣り人の味方です
伊勢海老の釣り方と合わせ方のコツ
伊勢海老釣りは、アタリの見極めと合わせのタイミングが鍵を握ります。魚と違って引きが弱く、繊細な変化を感じ取る感覚が求められます。
伊勢海老は仕掛けをつまむようにエサを食べるため、アタリが微妙です。穂先のわずかな震えやラインの横揺れを見逃さず、感度の高い竿先と軽めのオモリを使いましょう。
穂先が「コン、コン」と小刻みに動いたら、それは伊勢海老が脚でエサを探っているサインです。焦らず食い込みを待つのが釣果を伸ばすコツです。
伊勢海老釣りの合わせタイミングと引き上げ方
伊勢海老はハサミでエサを探るため、早合わせは禁物。アタリが続き竿先がグッと引き込まれた瞬間に竿を大きく立て、力強く1回だけ合わせます。掛かったら根に潜られないよう一定のテンションを保ちながら巻き上げ、慎重に取り込みます。
南三陸で伊勢海老の釣りは禁止なのか?漁業権について
宮城県では伊勢海老は漁業権魚種に該当せず、釣りによる採捕は基本的に規制対象外です。
つまり他県と違い、宮城で伊勢海老釣りは合法であり、個人で伊勢えびを釣りを楽しむことは問題ありません(2025年10月現在)資源保護のため「規制」が現在されていますので、今のうちに釣りを楽しみましょう。禁止はないので密漁にも該当しません
宮城県内で漁業権の内容となっている水産動植物
「マダコ、アワビ、ウニ、ホッキ貝、ワカメ」は規制対象。またあわび、なまこ、うなぎの稚魚(全長13センチメートル以下)については特定水産動植物に指定され、これに違反した者に対しては、3年以下の懲役又は3,000万円以下の罰金が科されることとなっています
<参考>海釣りを楽しむ皆さんへ
まとめ
伊勢海老釣りは、道具と時期を押さえれば誰でも挑戦できる釣りです。南三陸の海と向き合い、自らの手で高級食材であるイセエビ一匹を仕留める体験は格別です。安全意識を持ちながら、伊勢海老釣りを楽しみましょう。
- 伊勢海老は9〜11月の上げ潮・新月期が狙い目
- 南三陸エリアの漁港・志津川港が実績ポイント
- 小さなアタリを逃さず、確実に合わせるのがコツ
- 安全装備をし、夜釣りを安全に楽しむ
- ドコモ保険の加入も選択肢にいれておく